教室内に残ったのは、私と蕪村さんと、置き去りにされた男子たち。



うん、今が蕪村さんに話しかけるチャンスかも!



そう思ったところで、教室に戻ってきた女子数人が輪になって号泣し始めた。



声をあげて泣き続ける異様なその光景に、蕪村さんとふたりで凍りつく。



この一瞬で、号泣するほどのなにが起こったんだろう?



「あ、あの、大丈夫?」



カバンからポケットティッシュを取り出して、その女の子たちに手渡すと。



「だ、だ、だ、だって、水島くんがあまりにカッコよすぎて」



……へ?