「アリスの母さんから、アリスを家まで送るように頼まれた。ほら、行くぞ」



わざと教室中に聞こえるように声を張る。



「いいなあ、春宮さんっ」



「理想のカップルっぽいけど、親戚なんだあ」



「遠縁の親戚とはいえ、美男美女の家系!」



……血、つながってないけどな。



理想のカップルで、俺は全然かまわないんだけど。



がやがやとみんなに囲まれて、身動き取れなくなってるアリスに近づき、その荷物を手にとった。