むすんで、ひらいて、恋をして

「ほら、アリス、帰るぞ」



「う、うん」



莉生に手を引かれて帰ったけど。



「り、莉生?」



「なに?」



莉生が「は?」って顔をして、振り返るけど。



おずおずと、つながれた手に視線を落とす。



「あ、あの」



こ、このまま、手、つないで帰るのかな?



こんなこと、フツーの姉弟はするのかな?



だって、私たち、高校生同士なのに!



血、つながってないのにっ!




心臓がドキドキしすぎて、呼吸まで苦しくなってきた……




「アリス?」




「ご、ごめんっ。なんでもないっ」




顔をのぞきこんでくる莉生に、ふるふると首を横に振る。




あー……、もう。



恥ずかしすぎて、莉生の顔が全然見れないよ……。



莉生、心配症だし……って、必死に自分を納得させて。



ドキドキしすぎて爆発寸前の心臓をおさえながら、莉生と手をつないで帰った。