むすんで、ひらいて、恋をして

「こんなうす暗い公園で女子高生に声かけるとか、警察呼ばれても文句言えないっすよね? それ、わかってます?」



莉生が声を尖らせると、とたんにその人が青ざめた。



「いや、ただ、これをこの子に渡そうと思って」



そう言ってカバンから取り出した名刺を手渡すと、その人はあっという間に去っていった。



莉生の腕のなかから、転がるようにして去っていくその人の後ろ姿を、呆然と見送った。