むすんで、ひらいて、恋をして

「入学式の前にね、うちのクラスの派手めの女子が、蕪村さんのことを見ながら『げ、こんな人もうちの学校にいるんだ。同じクラスとか萎えるっ』ってディスったんだよね。


なにか言ってやろうと思ったら、通りすがりのアリスが『え? 私、めちゃくちゃ仲よくなりたい。色々教えてほしい……。私、漫画読むの遅くて……』ってぶつぶつ呟いてて。ちょっと笑った」



「あ、あれ⁈ 私、口にだしてた?」



心の声、いつ漏れた⁈



「はい。はっきりと呟いていました。私、自分の存在をディスられたことより、王女に全肯定されたことに、かなり貫かれまして。


それから、かなり濃い目のファンです、はい。推してます。すみません」



言いながら、牛丼に向かって頭を下げている蕪村さん。



「あ、あの、蕪村さん。どうしてさっきから、牛丼に向かって話してるの?」



「いえ、ちょっと眩しすぎて目が潰れるというか。遠目に眺めて牛丼3杯はいけますけど、対面してこの距離では、緊張しすぎて喉を通らないというか」



「あ、そういうこと? 本気度高いね」



「わりと、はい」



……?