「うー……喉かわいたー……こほっ」



「いま、ルイボスティー入れてやるから、ちょっと待ってろよ」



ソファに手をかけて立ち上がると、アリスがふにゃっと笑う。



「やったね、莉生大好き」



「ぶっほっ! キモイ、やめろ」



「光栄でしょー、学校一の美少女のアリスちゃんに“大好き―”言われてるんだか
ら」



「嬉しくないし」




ひとの淡い恋心を、もてあそぶな。



手、震えて、茶こぼす。