駅前にある牛丼チェーン店のお店の片隅で、あゆみちゃんと並んですわる。



明らかに私たちは浮いていて、隣のあゆみちゃんははしゃいでる。



「うわ、なにこれ、めちゃくちゃ安い! アリス、よく来るの?」



カウンターに座ったあゆみちゃんが目を丸くする。



「すごくちっちゃい頃に、お父さんと一緒に来たことがあるの。1回だけなんだけどね。たまたま、お母さんがいないときに……」



「へえ」



「ご、ごめんね。こんな男勝りなところにつき合わせちゃって。あゆみちゃんに
は、こんな場所、似合わないよねっ」



「私は牛丼食べたがってるアリスが好き」



「え……っと、どういう意味?」



きょとんとあゆみちゃんに顔を向けると、あゆみちゃんがいたずらな顔をする。