むすんで、ひらいて、恋をして

「ほら、うちの親父、家で飯食わないことも多いからさ。やっぱり、だれかのために作るのって、いいなって思うよ。アリス、大げさなくらい喜んでくれるから」



「大げさじゃないよ。莉生の作ったものは、全部美味しいもん。本当に思ったことを、そのまま言ってるだけだよっ」



「うん、そういうところな」



「でもさ、それなら莉生と結婚する女の子は、世界一の幸せものだね。旦那さんがこんなにお料理上手なんだから!」



アリスの無邪気な言葉が、胸に刺さって。



思わず口をついたのは……