むすんで、ひらいて、恋をして

「おふくろ亡くして、俺もしんどくて、そのうえ親父も一緒に天国にいっちゃったような感じでさ。冷蔵庫もからっぽ、調味料も使い尽くしてさ。


俺が買い物も料理もするしかないじゃん。スーパーで買い物してるとこを、知り合いに見られたら恥ずかしいから、ネットで頼んで。


ほっとくとゴミ屋敷みたいになっちゃうし」



あの頃のことを思い出して、アリスを抱える腕に力がこもる。