むすんで、ひらいて、恋をして

するどい雷の光や鳴り響く雷鳴にあおられて、
いままで誰にも見せたことのなかった本音が、こぼれ落ちていく。



「……うちのおふくろの口癖で。


『人生無駄なことはない。どんな辛い想いをしたとしても、いつかきっとその苦労が報われるときがくるのよ』ってよく言ってたんだけど。


俺さ、おふくろ亡くしたときに、嘘つけって思ったんだよ。なんで俺ばっかりこんな思いしなきゃいけないんだって」




腕のなかのアリスが、そっと俺を見上げる。