むすんで、ひらいて、恋をして

「いまはさ、家帰るとアリスがいるじゃん。ひとりじゃないって、嬉しいなって思うよ。あの頃の俺は、けっこう頑張ってたんだなって、思う」



「うん、莉生はすごく頑張ってたと思うよ」



「なにそれ。アリスは、当時の俺のことなんて、知らないだろ」



「今の莉生を見てたら、そのくらいわかる」



アリスの言葉に、ふいに胸の奥が熱くなる。



「私なんて、トドみたいに転がってるだけで、なんの役にも立ってないもん」



「トドみたいに転がってるだけだとしても、アリスがいてくれるだけで、俺はわりと嬉しい」



「……うん」



腕のなかで、アリスが緊張をゆるめる。