むすんで、ひらいて、恋をして

「おふくろが入院してからは、家のなかいつも真っ暗だったからさ。おふくろは病院にいて死ぬかもしれなくて。ぶっちゃけ、いつも不安で怖かった」




「……家のなかが暗いだけで、怖いし、寂しいよね」




「けど、親父も仕事とおふくろの看病でギリギリって感じだったから。寂しいなんて思うことすら、許されない感じでさ。なんか、いろいろ自分が情けなかった」



「莉生は、情けなくないよ。全然、情けなくない」



腕の中のアリスをくしゃりとなでる。