そのとき、バリっと夜空がひび割れて、雷の光が部屋のなかまで差し込んできた。



パラパラパラと雨が窓を打つ音がする。



「やっぱり、天気くずれてきたね」



びくっと肩を震わせたアリスがそろそろと、窓に視線を向ける。




「雷雨って言ってたよな」



「……雷、嫌だな」



アリスが顔を強張らせる。



「雷、苦手?」



膝を抱えて、アリスがうなずく。