こんなのアリスが抱えてきた痛みにくらべたら、取るに足らない。



アリスが幸せに笑っててくれたら、俺はそれでいい。



「じゃ、俺は俺で頑張らせてもらおっかな。ってことで、ちょっと部室に用があるから先に行くな」



「おう」



立ち上がり、爽やかに去っていった上谷を、憂鬱な思いで見送った。