むすんで、ひらいて、恋をして

「正直、春宮さんに興味はあるよ。あのとき、電車に乗り込んできた春宮さんが、忘れられない。嬉しそうにはにかんでて、衝撃的なほど可愛かった。


でも、もっと彼女のことを知りたいとは思うけど、好きかどうかはまだわからない」



いつも上滑りなことばっかり言ってるくせに。



こんなときだけ、いきなり正直になりやがって。



「それ、……完堕ちしてるだろ」



「けど、春宮さん、彼氏いるって噂があるみたいだし。奪ってまでどうこうしたいとは、思わない」



……アリスに彼氏?



「もしかして、青い目、金髪の彼氏の話? それ、俺の作り話だから。アリスがウザい3年につきまとわれてたから、諦めさせるためについたウソ」



「じゃ、可能性は俺にもあるわけだ」



「ま、そうだろうな」