むすんで、ひらいて、恋をして

しばらく考えて、上谷に簡単に事情を説明した。



上谷は面白半分で、俺とアリスの関係を話してまわるような奴じゃない。



だから、隠す必要もない。



「じゃ、義理の姉弟になって、春宮さんと一緒に暮らしてるんだ?」



「ん」



「ふーん、……ま、さすがに、それは学校じゃ言えないよな」



「ずっと黙ってて悪かったな」



どこか気まずくて、首の後ろに手を置いて、視線を浮かす。



「いや、こっちこそ家庭の事情に踏み込んで悪かったよ。まさか、姉弟だとは思わなかった」




一旦、視線を落とした上谷が、ゆっくりと顔をあげる。