むすんで、ひらいて、恋をして

つぎの日のお昼休み、あゆみちゃんと机をくっつけてお弁当を食べていると、茶髪のスラッとした男子が私たちの教室にやってきた。



「うわっ、上谷君だっ! この前の大会、優勝おめでとうっ」



「ありがとね」



「今度、みんなで応援いくから」



「ん、気合入るわ。部員、喜ぶ」



あちらこちらから声がかかり、そのたびに爽やかに感じよく対応してるけど、ちょっと裏がありそうにも見える。



莉生とはまた違ったタイプの、二面性モテ男子?



なぜか、その男子が私の席の前でぴたりと足をとめた。