むすんで、ひらいて、恋をして

「私は、この先も、ひとりでしっかり生きていくよ」



思わず、独身宣言をしてしまった。



だって莉生以外のだれかに、素をさらけ出して、甘えられるとは思えない。



莉生に遠慮なく甘えられるのは、莉生が義理の弟だから。



友達でも恋人でもなくて、気安くて、ずっと変わらない姉弟関係だから。



「あのさ……俺の話、聞いてた?」



「うん、聞いてたからこそ」



「……ま、アリスが幸せなら、俺はそれでいいけど」



そう言って優しく笑った莉生に、大きな手のひらで頭をくしゃくしゃになでられて……



急に心臓が激しく動き出す。



莉生はいつも通り変わらないのに。



ドキドキしはじめた心臓の音に動揺して、自分の気持のおきどころがわからなくて。




なんだか、むしょうに泣きたくなった。