「莉生こそ、人のことなんて気にしてないで、さっさと彼女作ればいいのに」



「俺は、アリスが幸せになれるまで、彼女はつくんないよ。不憫だろ、姉貴に彼氏ができないのに、俺だけ彼女作っちゃったら」



「なにそれ。そんなことを理由にされたら、私、全校女子生徒の反感、買っちゃうよ」



軽口をたたいていても、アリスの言葉には、いつもみたいな力も勢いもない。



胸が痛む。