むすんで、ひらいて、恋をして

最初は喜んで食べていたアリスも、さすがに後半になると腹がふくれてきたのか、困ったように少しずつスプーンを口に運んでいる。



「アリス、ちょっとちょうだい」



その一言に、アリスの顔がパッと明るくなる。



「うんっ、お腹いっぱいになってきたから、莉生が食べてくれたら助かるっ」



俺がぺろりと食べきると、ホッとしたようにアリスが頬っぺたをゆるめる。



「どれもこれも、ホントに美味しかったよっ。連れてきてくれて、ありがとう」



デザートを食い終えたアリスが、とろけるような笑顔をみせる。



「ん、俺も満足」



美味かったし、アリスの喜ぶ顔が見れたし。



なにより、幸せそうに笑ってるアリスに、さっきから右心房、左心房が全力疾走。



アリスと一緒いにると、心臓がいくつあっても足りない……。