むすんで、ひらいて、恋をして

「……黙ってなきゃいけないってことは、つまり、アリスちゃんの彼氏は有名人とか芸能人とかそういう?」



武田がおどおどと、アリスに視線を向ける。



「ま、そこは察してください。とにかく、これ以上つきまとったら、通報させてもらいますから。なんなら、その彼氏つれてきて、制裁してもらいますか? 


いろいろ力があるひとだから、先輩も大変なことになると思うけど。これから進路とかあるのに、ちょっと厄介なことになるでしょうけど」



「か、軽い冗談だろ! 本気にすんなよなっ」



顔面蒼白の武田が転がるようにして屋上から去っていくと、おそるおそる振り返る。