「文句言うなら勉強、教えてあげない」




「だから! 弁当作ってやってんだろ。お互い様だろっ」




「じゃ、今夜の夕飯に美味しいかつ丼作ってくれるなら、許す!」




「何様だよ。マジで腐り切ってる……」




「どうも♡」




じろりと睨みつけてくる莉生に、満面の笑顔を返す。




すると、莉生がキレイな顔を崩して、大きくため息。




「まー、ぶっちゃけ、俺もそっちのほうが楽だけどな。親の再婚でいきなり姉弟に
なった女に中途半端に意識されて、うふふ~、おほほ~ってくねくねされたら、キツすぎる。トドのようなお前で良かったよ」



「うん、もっと感謝して」



「あーりーがーとーう、ごーざーいーまーすうーーーーっ!」



莉生が投げつけたクッションを、見事にキャッチ。



ふっ。



勝った。