「莉生は卑屈でもないし、余計なものでもないよ。大切な弟の莉生だよ」



まっすぐに見つめられて、アリスのことをじっと見つめ返す。



あーもう、アリスのこと、抱きしめたい。



アリスと二人だけの世界に行けたらいいのにな。



くしゃりとアリスの頭をなでると、気持ちよさそうにアリスが目を伏せる。



でも、アリスがこうやって安心しきってるのは、俺が弟だから。



自分の立ち位置くらい、わかってる。



胸が痛いのにも、苦しいのにも慣れてきた。



そのうち、アリスにだって彼氏ができるんだろうし。



俺は、それを黙って見てることしかできない。