「アリス」



つぎの休み時間に、ひとりで歩いているアリスを見つけて声をかけた。



だれもいない非常階段で、アリスと向き合って頭をさげる。



「昨日はイラついてごめん!」



アリスはものすごく驚いた顔をしてるけど。



とにかく、俺が悪い。



「ううん、私こそ、ごめん!」



肩を縮めて、両手を合わせて謝るアリスに胸がぎゅっと締め付けられる。



アリスはなにも悪くないだろ……。



なんで、アリスが謝るんだよ。



罪悪感が半端なくて、そっとアリスの頭に手を置いた。



「アリスは謝んなよ。俺が悪かったんだから」



「……もう、怒ってない?」



「ん、自分にイラついてただけ」



「そっか、よかった!」



嬉しそうに、ふわっと笑ったアリスが可愛くて、心臓はバクバクうるさいし、息をするのも苦しくなってくる。



アリスの可愛さって、マジでどうなってんだろ。



アリスが可愛すぎて、そのうち地球が爆発するかもな……。



その日は家に帰ると、いつも通り、アリスと罵詈雑言を言い合って、過ごした。