むすんで、ひらいて、恋をして

「な、な、なんだよ、アリス」



戸惑う莉生を、ドンっと力づくて押し倒して、体勢逆転。



すかさず莉生に馬乗りになって、にっこり笑って顔を近づける。



莉生は、ぎょっとした顔で、目を大きく見開いて固まっている。



「莉生、私もずっと莉生に伝えたいことがあったんだ」



怯える莉生に、ふわりと笑って、ゆっくりと顔を近づける。



莉生の瞳はこれ以上ないほどに大きく開かれている。



「お、おい、アリス、ちょっと、待て!」



「ごめんね、待てない」



ぎゅっと莉生が目をつぶった瞬間、ゴンっと莉生に頭突きをお見舞いした。



昔から、自他共に認める石頭。



「いってえええええっ!」



とたんに涙目になった莉生が、おでこを押さえて、身体を丸めて悶えている。



ふっ、勝った。



「たらしの莉生くんに、天罰」



「くそっ。アリス! ちょっと待てっ!」



「待たないもん」



「待てって言ってんだろ‼」



追いかけてくる莉生から、逃げ回る。



出来る限りの素早さで逃げたものの、さすがに莉生の家がどれだけ広くても、室内での鬼ごっこ(?)には限界がある。



当然、逃げ切れるはずもなく……。



「確保!」



数分後には、莉生にがっしりと捕獲されていた。



莉生の両腕に拘束されて、ばたばたと暴れていると、莉生が私の耳元に唇を近づける。



「あのさ、アリス。俺、さっき言ったこと……」



莉生が言いかけたところで、ガチャリとドアが開いた。



……え?