好きだなんて言えない。

…………そう、だったんだ。
「…………すこし落ち着いたか?」

わたしは、こくこくと何度も首を縦に振る。
流己くんは、そのわたしの様子を見て、ふぅ、と安堵したようにため息をついた。

そして、ぽんっとわたしの頭に手を置く。

「もう、ホームルーム始まってるだろ。途中から教室に入るのも気まずいから、ここで時間つぶすか。」

「うっ、うん!!」
そして、わたしと流己くんは、1時限目が始まるまで、屋上で他愛のない話しで過ごした。