にこにこ笑う、池内くんにわたしの心はあっさり負けてしまった。
「じゃ、じゃあ、いちごみるくがいいかな…………。」

わたしはそう言って、缶のいちごみるくだけを受け取る。
ーーキーンコーンカーンコーン。

と、その瞬間チャイムが鳴った。
「あ! じゃあ、熊原さん、またなにかあったら、おれに頼ってください!!」

池内くんは、さっさと自分の席に戻る。
あ…………、お礼、また言えなかった…………。