そう吐き捨てると、わたしの手をぎゅっと握ってスタスタと歩き出す。
「あ、あのっ…………!!」

松本くんはまだ不機嫌な様子で「ん?」と振り返る。
「あっ………ありがとうっ………。る、流己くん。」

わたしは、精一杯の感謝の気持ちを込めて笑った。
すると、流己くんは目を見開いたまま顔を赤く染める。

フイっと流己くんは顔をそらして。
「その顔、他の男に見せんなよ。」
と、言った。