「…………へっ?」
わたしは思わず振り返る。

だけど、ジャージ姿の松本くんは、それ以上なにも言わず教室からでてってしまう。
“お前、バカじゃないの?”

頭の中で、その言葉だけがこだまする。

しっ、仕方ないよね………。小西さんたちに押し付けられても、わたしは何も言い返せないし。そういう気弱な自分が悪いんだもん………。

松本くんにバカだっていわれてもしょうがないよね………。
自分にそう言い聞かせて、わたしは窓ふきを続行した。