すると、松本くんは背中をむけたまま、右手をあげて手に持った紙をひらひらとさせる。

それは、今日数学の先生から配られた課題プリントだった。
あ、教室に忘れて取りに来たってことなんだ。

「ご、ごめんねっ………、余計なこと聞いて。じゃ、じゃあわたし掃除の続きするからっ…………。」

ぞうきんを持って、松本くんから離れようとした時。
「お前、バカじゃないの。」