教室には、いるはずのない人影が。
わたしは、びっくりして何度も目をこする。

だってその人物はーー。
「ま、松本………くん?」

密かにわたしが思いをよせている、正真正銘の松本 流己くんだったから。
だけど、松本くんはわたしを見るなり、バツの悪そうな顔をする。

そして、松本くんがわたしの横を通り過ぎようとしたとき、わたしは慌てて。
「あ、まって………! どうしてここにいるの?」