流己くんの方がバカで面倒くさいよ。
わたしは、そう思った。

約1ヶ月が経ったころには、わたしと流己くんはすでに他人に等しい状態だった。
わたしが帰り支度をしているとーー。

「ねぇ~、松本くんっ! 駅前に新しい店ができたのっ!!」
「ふーん。じゃあ、一緒に行く?」

「えっ! 本当!? やったぁー!!」
そんな会話が廊下から聞こえてきた。