私が告白をすれば、優しい祐太はいろいろ考えてしまうだろう。
困らせて、勉強するための時間を削らせてしまうかもしれない。
今まで私を支えてくれた彼の、受験の邪魔になるようなことは絶対にしたくなかった。
だから、この気持ちを伝えずに今までの感謝の気持ちをラインで送って、関係は終わり。
涙が溢れて、声がかれるまで泣いた。
しばらくは胸が苦しかったけど、このまま下を向いているわけにもいかず……。
私は前を向いてうたを歌い続けた。
祐太と、バンドメンバーのおかげで、音楽の楽しさを知った。
あの時のことは絶対に忘れない。
私の大切な宝物。
──きみの音は、今でも不意に思い出すよ。
Fin



