その数日後には私の声域を調べ、数週間後には祐太は本当にオリジナル曲を完成させて。

できた曲を聴かせてくれた。


初めて作ったとは思えないほどの、クオリティが高い曲。
作詞までできる彼は、本当にすごい天才だと思った。


彼が作った最高の曲の魅力をさらに引き出せるように、それから私は歌を猛練習。


夏にやる、高校生だけが出られるフェスティバルへ出場することも決まって、とにかく毎日彼の曲をたくさん聴いた。


練習を積み重ねて、私なりに上手く歌えるようにした、はずなのに……。


人生で初めてのフェスティバルへの出場、初のステージ、それはものすごく緊張した。

リハーサルで本番と同じようにステージで歌って、緊張しすぎて歌詞を忘れて、足がガクガク震えて音程が安定しない最悪の事態に。


こんなんじゃ、この曲の魅力を伝えられない。
どうしよう……。


不安になって、泣きそうになっていた時に──。


「初めてのステージなんだから、緊張するのは当たり前だろ?初めてじゃない俺でも緊張すんのに」


声をかけてくれたのは、祐太。