きみと色々ありそうな夏



そうだよ。旅行は私から言い出した。

先輩と付き合ってることを、たくさん実感したかった。私が先輩に夢中なように、先輩も私に夢中になってほしかった。

ただ、それだけだった。

それだけ、先輩のことが大好きだったから。


「あいつのために、泣くんじゃねーよ」

ぼろぼろと溢れてくる涙を、浦野は制服の袖で拭いてくれていた。

「あんたのせいでしょ!」

ずっと泣くのを我慢してた。

泣いたらもっと惨めになるから、平気なふりをしていようと思っていたのに……。

浦野が(あお)るようなことを言うから、張り詰めていた糸が切れてしまった。