「仕方ないと思うしかないよ。こればっかりは私達個人の問題ではないからね。でもこうしてお
 土産も無事に買えたわけだし、悪い事ばかりではないと思うよ、私は。
 蔵刃もたまにはゆっくり家で休んだ方がいい。あんまりバイトを詰めすぎると、卒業できずに
 病院送りになるぞ。
 金銭的な問題があるのは周知しているけど、君が体を壊せば、悲しむのは私だけではない。」

「・・・心配してくれるんだ、お前も。」

「・・・・・」

そのポカンとした表情に苛立ちを感じた私は、そのまま自転車を捻らせて乗り込もうとしたら、蔵刃が必死に止めた。
わざわざ私の着てるパーカーを引っ張って、彼は珍しく焦っている顔を見せる。

「悪かった!!悪かった!!いや違うんだよ!!
 ほら、お前ってなかなか自分の意見を口に出さないというか何というか・・・」

言い訳を懸命に考えている姿に、思わず笑ってしまう私であった。