「問題っていうほどのものでもないよ。確かに部長のノエルに対しての当たりは強かったけど、それは咲綾が一生懸命バスケに取り組んでたってことだし。でも、あれはダメだよぉ」

鼻につく瑠偉の言葉に唖然とする。

昨日の攻撃的な態度とはまるで別人だ。

昨日の瑠偉と今日の瑠偉、どちらが演技?

「ん?こいつ、他にもなんかやったの?」

男子が敵意に満ちた目をあたしに向ける。

「実は……折原先生のこと、変態教師って言ったの」

「……ハァ!?お前、折ティーのことそんな風に言ったのかよ!?最悪だな!!」

折原先生は男子にも女子にも人気がある先生だ。

特に男子には『折原ティーチャー』を略して『折ティー』という愛称で親しまれている。

――違う。あたしは意味もなく先生を変態教師なんて呼んだりしない。

あの日、あの時折原先生は間違いなくあらぬことを考えていた。

だから、けん制する意味であの言葉を放っただけ。

あたしは悪くない。悪いのはどう考えたって折原先生の方だ。