イジメ返し―連鎖する復讐―

自分の意思とは関係なく溢れ出る吐しゃ物。

何度も腹部を踏みつけられて口からだけではなく鼻からも溢れ出て息ができない。

「ぐっ……はあ………」

溺れているみたいな感覚。

このままじゃ死んでしまう――。

あまりの息苦しさに喉に手を当てて必死に首を左右に振る。

自然と涙が零れ落ちる。

殺される――。

全身が恐怖でガタガタと震える。

こんな気持ちになるのは初めてだった。

日に日にエスカレートしているイジメ。

このままではあたしは彼女たちに殺される。

意識が遠のきかけた時、瑠偉の甲高い声で現実に引き戻された。

「わっ、きっもー。こっちに飛ばさないでよぉ」

あたしのお腹から降りた瑠偉。

力を振り絞って仰向けから横向きの体制になって、体を丸める。

口のわきから吐しゃ物が流れ出て床を汚す。

苦しい。苦しくて仕方がない。

あたしは必死に両手の指を口に突っ込んで吐しゃ物をかきだした。