イジメ返し―連鎖する復讐―

この日は、月に一度の体育館奥の倉庫を掃除する日だった。

基本的に1年生がやる仕事なのに、あたしはノエルに「アンタがやって」と言いつけられ渋々部活後に一人で掃除をしていた。

他の部活はとっくに帰ってしまっている。

一人虚しく倉庫内のほこりを払ったり片付けをする。

「どうしてこんなことをしなくちゃいけないの……?」

こんなのあんまりだ。

胃の奥がキリキリと痛む。

3年間頑張ってバスケを続けた結果がこれ……?

最近、ふとした瞬間に全てを手放してしまいたくなる。

死んでしまいたい。そんな風に考えてしまう自分がいる。

中学生や高校生が自殺したという報道を見る度に不思議だった。

どうして逃げないんだろう、と。

死ぬぐらい辛いなら逃げればいい。

逃げられないなら助けを求めればいい。

死ぬぐらいの勇気があるならイジメなんてどうにだってなる。

そんな風に考えていた。