イジメ返し―連鎖する復讐―

「な、なんですか……?」

「練習試合の場所の変更っていつ連絡がきたの?」

「え……昨日……19時ぐらいに変更になったってグループLIMEに入ってました」

「やっぱそうだったんだ……」

1、2、3年生はそれぞれ学年ごとにグループが組まれ、先生から連絡を受けた部長のノエルが2、3年の連絡係に連絡をする。

そしてその連絡係がそれぞれの学年のグループに連絡を入れるという流れができていた。

知らなかったのはやっぱりあたしだけだった。

「あのさ……悪いんだけど、今度連絡あったらあたしに個人的に連絡もらえない?」

「え?」

「連絡先、教えて?」

後輩は露骨に顔を歪めた。

「ちょっと今3年のみんなに誤解されちゃってて……。だから……」

「すみません。今、スマホ持ってないんで……」

「後でいいから」

「す、すみません……。あたし、できません!!」

「ちょっ、待ってよ!!」

後輩は何度も謝るとあたしから逃げるように体育館に飛び込んでいく。

ノエルたちになにか言われてるの……?

「あたし、どうしたらいいの……」

どんどんバスケ部の中に居場所がなくなっていく――。