あたしは興奮状態になりふぅふぅと息を荒くして先生を睨み付けた。

「お前、今俺になんて?」

「先生のやっていることは犯罪です!!まさか瑠偉やほかの部員にもこんなことしてるんじゃ……!!」

あたしは先生から距離を取って叫んだ。

「1時間後部室で何しようとしてたんです!?マッサージ!?そんなのする必要なんてない!!」

「部員の健康状態を知ろうとして何が悪い」

「誰もいなくなった部室でやる必要なんてありません!!」

「そうやって金切り声を上げるな。せっかくのチャンスをふいにして。お前はバカな女だ」

「は……!?」

「俺はお前にチャンスをやった。でも、お前はせっかくのチャンスを無駄にした。お前がレギュラーになれる可能性は0だ。いや、それどころかマイナスだ」

「マイナス……?」

「変態教師呼ばわりされて俺が黙ってると思うなよ」

先生は苛立ったように言うとあたしに背中を向けて歩き出す。

「最低……!」

あんなひどい男が顧問だということも、その顧問を尊敬していた自分にも腹が立つ。

色々な出来事が一気に押し寄せてきて立っているのもしんどい。

明日からどんな顔をして部活にいけばいいんだろう。

必死に積み上げてきたものを一瞬にして奪われたような気持ちになる。

「ほんと最悪……」

あたしはその場にヘナヘナと座り込んで頭を抱えた。