「大好きな祐ちゃんが姉に寝取られた気分はどう?」
「――めて」
荒いマリアの息遣いに寒気がして画面から目を反らす。
あまりの衝撃に吐気がこみ上げてきた。
本当は耳を塞ぎたいのに両手を拘束されているためこの音から逃れることができない。
「やめて……。お願い……もうとめて……」
ずっと祐ちゃんが好きだった。
控えめで穏やかでいつも優しい祐ちゃんのことが。
「ノエル」ってあたしを呼ぶ低い声が好きだった。
いつだってあたしの隣には祐ちゃんがいた。
いつか……祐ちゃんと結ばれると信じていたから、他の男から告白されても首を縦に振らなかった。
祐ちゃんだけを見て生きてきた。
それなのに――。
「んんっ……祐……もっと……」
「マリアっ……マリア……可愛い。可愛いよ……」
二人の息遣いを聞いていられずギュッと目をつぶると、音量がさらに大きくなる。
「目を反らさずに見て。これが現実だから」
あたしの後ろに回ると、咲綾はあたしの顔を両手で掴み画面を見るように強要した。
愛する人が姉と交わるところを見ていると自然と涙が零れた。
大切にしていたもの全てを壊されたような絶望感に全身がガタガタと震えだす。
二人の情事が終わるまであたしは画面から目を反らすことを許されなかった。
「――めて」
荒いマリアの息遣いに寒気がして画面から目を反らす。
あまりの衝撃に吐気がこみ上げてきた。
本当は耳を塞ぎたいのに両手を拘束されているためこの音から逃れることができない。
「やめて……。お願い……もうとめて……」
ずっと祐ちゃんが好きだった。
控えめで穏やかでいつも優しい祐ちゃんのことが。
「ノエル」ってあたしを呼ぶ低い声が好きだった。
いつだってあたしの隣には祐ちゃんがいた。
いつか……祐ちゃんと結ばれると信じていたから、他の男から告白されても首を縦に振らなかった。
祐ちゃんだけを見て生きてきた。
それなのに――。
「んんっ……祐……もっと……」
「マリアっ……マリア……可愛い。可愛いよ……」
二人の息遣いを聞いていられずギュッと目をつぶると、音量がさらに大きくなる。
「目を反らさずに見て。これが現実だから」
あたしの後ろに回ると、咲綾はあたしの顔を両手で掴み画面を見るように強要した。
愛する人が姉と交わるところを見ていると自然と涙が零れた。
大切にしていたもの全てを壊されたような絶望感に全身がガタガタと震えだす。
二人の情事が終わるまであたしは画面から目を反らすことを許されなかった。



