イジメ返し―連鎖する復讐―

翌日の放課後練習時。

瑠偉は常に折原先生の横をキープして馴れ馴れしく話しかけていた。

「センセ、次の練習試合に買ったらみんなにアイスおごって~??」

「アイス?食べたいのか?」

「食べたーい!そうすれば瑠偉たちもっと、もーっと頑張れるよぉ?」

「まあ、瑠偉が言うなら仕方がないか」

「やった!!約束ねぇ??」

「ああ。約束だ」

小指を絡ませてゆびきりげんまんをしている二人を信じられない思いで見つめる。

あの二人の距離感が異常に近いということは前から思っていた。

いつもは厳しい折原先生が瑠偉を前にすると鼻の下をだらしなく伸ばしてデレデレとした表情を浮かべる。

確かに瑠偉は可愛い。

バスケットをやっていると思えないぐらい小柄で細身。

なのに、胸は大きく色気がある。

顔はリス系で笑うと口元から白い八重歯がのぞく。

ふわふわした雰囲気で口調もやわらかいせいで、男子からの人気もある。

女のあたしから見ても確かに瑠偉は魅力的だと思う。

だけど、先生があそこまで露骨に瑠偉を可愛がるのはいかがなものだろうか。

第三者が見れば、先生が瑠偉のことをひいきしているのは火を見るよりも明らかだ。