「今、折原先生はどこに……?」

「エマにもわかりません。もしかしたらどこかの山で首でもくくっているかもしれませんね。それか……」

「それか?」

「いえ、ひとまず泳がせておきます」

「そっか。もうあたしたちには関係のない人だしね」

あたしへのイジメのきっかけを作ったのは間違いないく折原先生だ。

その折原先生は今や警察やマスコミに追われる身。

家族だけでなく教師という社会的地位も失った。

あの男に残されているものはもう何もない。

「ふっ……ざまあみろ」

思わず呟くとエマが首を傾げた。

どうだ。思い知ったか。

あたしが苦しめられた分だけ、アンタも苦しんだらいい。

これこそまさに因果応報だ。

「あの変態教師の毒牙にかかった教え子たちもこれで救われる。やったね!!」

「そうですね。イジメ返し成功です」

「よしっ、次は瑠偉ね。何して苦しめてやろうか。アイツの化けの皮剥がしてやる」

いつも猫なで声で男に媚びるあの女を絶対に許さない。

「分かりました。次は瑠偉先輩にイジメ返しをしましょう」

エマの言葉にあたしは心を弾ませて大きく頷いた。