「お願い……。またあたしと友達になってくれる?」

思わず声が震える。涙ながらにそう頼むと、わずかな沈黙が流れた。

「……ノエル?」

『ふふっ、いいよぉ』

電話口から届いたのは何故か瑠偉の声だった。

「え、瑠偉?瑠偉もいるの……?」

『うん。ハンズフリーにしてたから今までの会話ぜーんぶ聞いてたよぉ』

「そ、そうだったんだ。瑠偉もごめん。あたし……あの時ホント自分でもどうかしてたなって思うの。精神的に不安定だったっていうか」

『ふぅん。どうして?』

「多分……咲綾のせい。アイツに中学時代のこと知られてそれを二人に言うって脅されたの。それで……」

『咲綾が海荷のことを脅したって言うの?』

「そう!咲綾の奴、あのエマって子と関わる様になってから調子に乗ってるんだよ!あっ、SNSにあたしの卒アル写真載せたのもアイツかも……。そうだ、絶対にそう!」

興奮気味にそう言うと、電話口の瑠偉がぷっと噴き出した。

『――てかさ、話長すぎぃ』

「ご、ごめんね!とにかく、あたしが言いたいのはまた二人と友達に戻りた――」

『ふふっ、おばかさーん。そんなの嫌だしぃ。調子に乗ってたのは自分じゃないの~?』

「へ?」

『正直ねぇ、ざまあみろ、って思っちゃったんだよねっ!天罰だよ。瑠偉たちのことあんなふうに晒した罰が当たったのぉ』

「る、瑠偉……?」