イジメ返し―連鎖する復讐―

許せない。

絶対に許せない。

あたしは怒りに任せて歩き始めた。

あの二人は今、自分の方が優位だと思っているんだろう。

でも、違う。今あの二人の運命を握っているのはこのあたしだ。

さっき隠し撮りした二人の画像を見て心の中でほくそ笑む。

「ノエルの下着、マジダサいんだけど。それに、なにこの胸。ちっさ!!」

ブツブツと呟きながら歩くあたしのことをすれ違った見ず知らずのサラリーマンが驚いた顔で見ている。

「瑠偉だってそう。小さいってだけでチヤホヤされやがって。確かに顔は可愛いけど、体のバランスは悪いしちんちくりんじゃん」

ムカつくことがあっても嫌なことをされてもずっと二人の顔色を伺って自分を抑え込んで我慢してきたけど、もう限界だ。

部活を引退してしまえば、もうあの二人に用はない。

あの二人とはクラスも違うし、もう関係がなくなる。

高校を卒業後だって、あんな奴らとつるむ必要はない。

だったら……。

心の中にあった罪悪感よりも怒りが勝った。

あたしは撮った画像の顔部分にモザイクをかけてSNSにアップした。

反応は自分が思った以上のものだった。