イジメ返し―連鎖する復讐―


「ハァハァ……」

あたしは息を切らしながら学校の周りを走っていた。

急きょ体育館の点検で業者が入るらしく、その間体育館を使っている部活は外周ランニングや筋トレをする様に指示が出た。

「てか、ノエルたちズルいし」

ノエルは部活動ごとの部長の集まりがあると言い、瑠偉は調子が悪いからという理由でランニングに参加しなかった。

あたしだってこんなことやりたくない。

汗を拭いながら大きく溜息をつく。

今は正直部活なんてどうだっていい。

いや、今だけじゃなくてずっと前からだ。

別にバスケなんてやらなくたって生きていける。

こんなことならポケットにスマホを忍ばせておけばよかった。

暑くて具合が悪くなったとか適当に理由をつけて保健室で休めばよかった。

心の中でチッと舌打ちをしたとき、あたしの隣を誰かが追い抜いていった。