「アンタ何してたの?遅くね?」

ノエルの目はあたしを非難するかのように冷たかった。

「うん。体育館の準備してたから」

エナメルバッグを置いて、制服から部活用のTシャツに着替える。

「てかさ、体育館の準備って1年の仕事じゃん。何で咲綾が毎回やってんの?」

「うーん、その方が効率がいいから。1年生に任せるとダラダラやってて練習時間短くなっちゃうでしょ?」

「でも、そういう決まりだし。勝手なことすんなよ」

「……ごめん」

「ハァ……。先行ってる」

チッと舌打ちして出て行くノエルに他の子達も続いていく。

「ノエルのこと怒らせちゃった……」

あたしはハァと深いため息をついた。