全ての授業を終えると教室を出て重たい足取りで部室へ向かう。
「あーあ。正直あたし、部活なんてしてる場合じゃないのに」
あれからフォロワーが激増し、通知を追えなくなるまでになった。
フォロワーは次のあたしの投稿を今か今かと待っているに違いない。
部活中はスマホ禁止。
練習が終わるまでSNSのチェックができない。
「ハァ……」
息を吐くとポンッと肩を叩かれた。
「うーみーか!どしたの?元気ないね?」
隣にやってきた瑠偉がにこりと笑いながらあたしの顔を覗き込んだ。
「ううん。なんでもない」
「ふーん。ねぇ、そういえばあの子のバッシュどう?売れそう?」
「あー……。多分、売れるかな」
「多分、って?引退したらそれ売ったお金でぱあっと美味しい物でも食べに行こうって約束したよねぇ?」
「したけど……そんなすぐには……」
「えー、早くしてよねぇ?もう一か月もないんだから。あっ、そうだ。ネコババしたら瑠偉許さないからねぇ?」
「そ、そんなことしないって!」
「だよねぇ。海荷に限ってそんなことないよねっ?」
やわらかい口調だけど、瑠偉が怒っているのが手に取る様に分かる。
ノエルも瑠偉も友達だけど、正直心の底から気を許しているわけではない。
彼女たちの機嫌を損ねれば、あたしは咲綾と同じ扱いを受けるに違いない。
「大丈夫だから!あたしに任せて!!」
「期待してるね」
瑠偉の笑顔の圧力にあたしは顔をひきつらせた。
「あーあ。正直あたし、部活なんてしてる場合じゃないのに」
あれからフォロワーが激増し、通知を追えなくなるまでになった。
フォロワーは次のあたしの投稿を今か今かと待っているに違いない。
部活中はスマホ禁止。
練習が終わるまでSNSのチェックができない。
「ハァ……」
息を吐くとポンッと肩を叩かれた。
「うーみーか!どしたの?元気ないね?」
隣にやってきた瑠偉がにこりと笑いながらあたしの顔を覗き込んだ。
「ううん。なんでもない」
「ふーん。ねぇ、そういえばあの子のバッシュどう?売れそう?」
「あー……。多分、売れるかな」
「多分、って?引退したらそれ売ったお金でぱあっと美味しい物でも食べに行こうって約束したよねぇ?」
「したけど……そんなすぐには……」
「えー、早くしてよねぇ?もう一か月もないんだから。あっ、そうだ。ネコババしたら瑠偉許さないからねぇ?」
「そ、そんなことしないって!」
「だよねぇ。海荷に限ってそんなことないよねっ?」
やわらかい口調だけど、瑠偉が怒っているのが手に取る様に分かる。
ノエルも瑠偉も友達だけど、正直心の底から気を許しているわけではない。
彼女たちの機嫌を損ねれば、あたしは咲綾と同じ扱いを受けるに違いない。
「大丈夫だから!あたしに任せて!!」
「期待してるね」
瑠偉の笑顔の圧力にあたしは顔をひきつらせた。



