すきっ腹にアイスはちょっぴりきつかった。

でもアイスで体が冷え、ようやく怒りで燃え上がっていた頭がクールダウンした。

「エマ、この間のイジメ返しの話なんだけど……」

「はい」

「今すぐ、お願いできないかな。できれば明日からにでも」

「もちろんですよ。咲綾先輩がいじめっ子に立ち向かおうとしてくれてエマは嬉しいです」

そう言ってにっこりと微笑むエマ。

「今日、先生と瑠偉が体育館でいちゃついてるところを見てようやくわかった。アイツらがいる限り、あたしはバスケをさせてもらえない。下手だからとか、サボるからとかそういう正当な理由ならわかる。でも、違う」

あたしは必死に練習した。苦しくても頑張った。

その結果がこれだなんて納得できない。

「あたし、やり返す。自分がやられた時の倍、ううん、100倍にしてアイツらに……。あたしが受けた以上の苦しみを与えてやる」

そして、思い知ればいい。自分がした愚かな行為を。

そしてその代償を払わせてやる。

「絶対に許さない」

決意を込めて呟くと、エマは黙って大きく頷いた。